東工大 物質理工学院 材料系 H30年度(31大修) II-08 熱力学
【1】東京工業大学大学院 物質理工学院の過去問を自身の勉強のために解いたものです。
【2】必ずしも解答を保証するものではありせん。間違いがある場合があります。
【3】過去問は各自で手に入れてください。
カルノーサイクルに関する設問
(1), (2), (3),
(4), (6)
(5)2通りの考え方を示す。
解説:
(1)等温過程(dT=0)において、温度の関数である内部エネルギー変化dUは0となるので、熱力学第一の法則「U=Q+Win」は「Q=Wout」のように式変形ができる。
※Winは系に対する仕事, Woutは外界に対する仕事である。
※pdVからの式変形は気体の状態方程式「PV=nRT」を用いている。
(2)断熱過程ではポアソンの式「PVκ=const.」が成り立つ。定数をAとすると断熱膨張過程における仕事は以下のように計算できる。
(3)※ポアソンの式の導出過程を以下に示す。
(3)(1)と基本的には同じ。圧縮過程は「系(の内部)に対して行う仕事」であることに注意する。
(4)(2)と基本的に同じ。断熱過程ではポアソンの式「PVκ=const.」が成り立つ。定数をAとすると断熱膨張過程における仕事は以下のように計算できる。ここで、圧縮仕事は「系に対する仕事」であることに注意する。
(5)解答と同じ
(6)熱効率(η)とは「外界から与えられた熱」でどれだけ「仕事」したかであるので、以下で与えられる。
上図のように断熱過程、等温過程におけるPVの関係を用いて等温膨張・圧縮仕事が符号以外等しいことを示す。